白く細い手を取った。
柔らかだった掌は、今では骨に薄い皮膚だけ。
折れそうな程頼りない。
生きているかと聞きかけて
代わりに、愛しているかと問い掛ける。
するとお前は目を細め、渇いた唇震わせて、愛しているわとか細く鳴く。
もう駄目だと思っていながら、元気になれよと嘘の励まし
もう駄目だと知っていながら、わかっているわと笑顔で嘯く。
出会った頃と大分変わった面差しは、それでもとても美しい。
痩せた躯を掻き抱く度に、焦燥が胸を焼く。
やがてお前は疲れたように、目蓋をそぅっと落とす。
長い睫毛が落とす陰、薄く開いた唇が、哀しい迄に儚げに
眠ったお前の貌を見て、一人静か吐く息は、音も立てずに消えて行く。
詮無きことと、思うけど
意味無きことと、思うけど
仮令ば二人、心交わさず、お前が故郷に帰ったならば、斯様なことは起こらなかった?
お前は日に日に弱り行き、眠る時間が多くなる。
不安に心が脆くなる。
お前がこれを聞いたなら、何を馬鹿なと笑うだろう。
考えるなと怒るだろう。
日向のような微笑み浮かべ、幸せなのだと言うだろう。
仮令結果がどうであれ、逢えて良かったと言うだろう。
それが更に胸を突く。
愛しているから胸を突く。
花の命は短いのだと、人は容易く言うけれど
嗚、どうかお前だけは、花のようにならぬよう
数多の神に祈りを捧げ、ひとつのことを願い乞う。
いちじつ、ひとたび、過ぎ行く事に
いちまい、にまいと、花弁は落ちる。
桜色の淡い花弁を、何とかこの手で攫めぬか。
何とかこの手で守れぬか。
不可抗の力に押し遣られ
何れは廻る運命を辿ろうとしている。
愛しているわと呟かれ
愛しているよと囁けど
お前は何処へいこうとしてる?
愛を語るその唇で、別れの詞も語るのか。
やがて訪れるものの前では、愛も詞も空ろとなりて
何れは無へと還るのだろうか。
其れでも無駄と思えぬのは
お前を確かに愛したからか。
白き神子、白き龍の神子よ。
この世に残るのが禁忌でないとするならば
白き神子、気高き神子よ。
如何か、もう少し傍に居ておくれ。
手の力を緩めると、細い手はするりと落ちる。
呼吸を確かめるように女の胸へと耳を押し当てた。
嗚、大丈夫。
不安な心を慰めるように
飛び去ろうとする躯を大地に縫い付けるように組み敷き
消え入りそうな吐息ごと、絡めるような口付けを――。
シリアスでヒノエ視点で詩的なものを。というのでした。
何だこれ!の世界に入ってしまって申し訳ありません_| ̄|○
詩っぽくをイメージしたら短いです、し、何より状況が良く解らない上に会話文がないですね。
やらかしました。
折角リクをしていただいたのにこんな結果になってしまい申し訳ありません!
【企画部屋】